コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

7日間起業 | 切羽詰まって7日間で作ったサービスで成功

「7日間起業」という起業本を読んだのでメモ。

最初の章に書いてある著者の起業ストーリーが面白い。

 

7日間起業――ゼロから最小リスク・最速で成功する方法

7日間起業――ゼロから最小リスク・最速で成功する方法

 

 

著者の起業ストーリー

著者はWEBデザイン制作の事業をはじめた。しかし、心身を酷使するほど働いても、まったく儲からない。

どんな施策を打っても繁盛貧乏になるばかりなので、WEB制作の事業をあきらめて売却した。

売却で得た金で、新しいサービスを作ることにした。アクセス解析のデータを見やすくするサービス。しかし、ユーザーの反応はいいはずなのに、誰も有料版を買わない。

資金が底をついて、この事業も諦める。

とうとう資金は2週間分しかなくなった。この2週間で事業が形にならなければ、雇われの仕事を探すしかない。完全に著者は追い詰められた。

そこで、たった7日でリリースしたのが、WordPressの有料サポート。月額69ドルで、24時間WordPressの悩みにこたえるというもの。

これが当たって、たった1週間で400ドルを手にして、窮地を脱する。その後は、顧客が順調に増えて、事業を拡大することができた。

米国人の自営魂

著者は、雇われで働くことを心から嫌がっている感じだった。

資金がショートしたら職探しをしなければならない。まるでそのことを死刑判決のように嫌がっている感じだ。

起業で苦労すると、むしろ毎月確実にサラリーが入ってくることに憧れる人が多いと思うのだが、著者はあくまで自営したいらしかった。

資金がショートする切迫感があることは、著者の起業ストーリーを面白くしていた。

著者のようなタイプは米国人に多い気がする。

私の場合は、人間関係がストレスになりやすい性格なので、自営業者となったわけだが、もしかしたら米国人も同じなのだろうか?

7日間でユーザーが金を払うか検証

著者の起業ストーリーは、たしかに多くの教訓が得られる。

多額の資金を使って、12か月の期間を費やし、野心的な新サービスをリリースしても、誰も金を払わなかった。

逆に、たった7日間で切羽詰まってリリースした不完全なサービスは、リリース直後に消費者は金を払った。

ここから、可能な限り短期間で、ユーザーが金を払うかどうかを検証することが大事だとわかる。

いわゆるリーンスタートアップと同じ方向性。

本書が強調するのは、「ユーザーの行動を検証する」といったことより、まず何よりそのサービスで金を払う人がいるかどうかを観ること。

メールアドレスを集めたり、無料ユーザーを集めたり、ユーザーに意見を聞いても信用できないという。どんな好意的な反応があっても、金を払ってくれないサービスがある。

そのサービスで消費者が金を払うかどうかがすべてであり、それを検証するのに7日間あれば可能。

それが著者の起業経験だった。