コペル書評

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リミットレス | 潜在能力を発揮する夢物語

映画「リミットレス」を観たので感想をメモ。

主人公は脳の力を100%発揮する薬を手して、どんどん成り上がるが・・・といったストーリー。成り上がるシーンは爽快感がある。

 

リミットレス (字幕版)
 

 

サスペンスの要素が2つあって、「他にも薬を狙う人たちがいる」「薬の副作用をどうするか」。

一度観始めると、最後まで一気に楽しめるタイプのサスペンス映画。

潜在能力を発揮する夢

主人公はもともと冴えない作家志望だった。小説を書き上げることもできず、恋人からも見放されて、しょぼくれていた。 

しかし、薬を飲んで、脳の力を発揮したら、まったく違う人生へ。

つまり、この映画は、「人生を変える願望」を表現している。

実は自分はすごい・・・だから、人生を変えられる・・・というのは、誰もが密かに抱く願望だと思う。

報われない人生を送っている人ほど、あるいはダメな生活習慣が身に付いてしまった人ほど、その願望を根強く持っているはず。

その願望は否定されて、夢から覚めるべきだと思うから、この映画のラストはちょっと納得がいかない気分。

成り上がるプロセスにお国柄が出る

面白かったのは、成り上がるプロセス。すごい能力を発揮する薬があるとして、じゃあ、主人公はどのように成り上がるか。

そのプロセスはお国柄が出ると思う。

この映画が作られた米国の成り上がりは、以下のプロセスだった。

以下ネタバレです

まず、主人公は作家志望なので、小説を書き上げて編集者から絶賛されるが、こんなことはやってられないと文筆業はやめる。

次に、金を借りて株のトレードをはじめる。そして、莫大な成績をあげることで、ウォール街で話題の人物になる。

その知名度を生かして、人脈を広げて、大企業の著名経営者のコンサルタントになる。

最後に上院議員になって、大統領を目指す。

なるほど。アメリカでの成り上がりは、こういうプロセスなのか。

日本だったら、どんなプロセスで成り上がりを表現するだろうか。株のトレードとか、コンサルタントとか、政治家は、あまり出てこない気がする。

起業して上場させるか、売れっ子の芸能人、といったところだろうか。

そんなことを考えて、楽しめた映画。