コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

パンドラム | 船内サバイバル

アマゾンビデオで映画「パンドラム」を観たので感想をメモ。

地球から惑星タニスへの移住を目指すSF映画

 

パンドラム (字幕版)

パンドラム (字幕版)

 

 宇宙船の密室劇が好きで、SF映画をときどき観たくなる。

この映画は密室劇といっても、6万人を収容できる巨大宇宙船だが。

設定が好きならぎりぎり楽しめる

冷凍睡眠から目覚めたクルーたちが、船内にいるはずのない奇妙な生き物たちと闘う。

いろいろツッコミどころが多い映画だけど、それなりのアクションシーンと謎解きがある。

宇宙船の船内アクションやドラマが好きなら、まずまず楽しめる。

以下ネタバレです

設定は好きなんだけど、映画としてはいまいち。

この映画のツッコミどころをまとめてみた。

1.「パンドラム」という新語を作る意味がない。

不安や絶望から、妄想に囚われて狂人と化す精神病を「パンドラム」と呼んでいるが、普通にありそうな精神病の症状。

2.冷凍睡眠から目覚めたときに記憶喪失になっている必然性がない。

目覚めたときにクルーが記憶喪失になっているが、よく考えると、記憶喪失でなくても映画のプロット上は何の問題もない。

3.地球が滅亡していることの意味が描かれていない。

航行中に地球が滅亡したことで、そのことを知ってしまったクルーの倫理観が崩壊することが大きなテーマ。しかし、地球滅亡を後で知った人たちが衝撃をあまり受けていない。結局、クルーの一人が狂っただけの物語になってしまった。

4.異常な進化をしてしまった移住者が、ただの化け物になっている。

化け物と船内で戦うわけだが、その化け物は同じ人間であったという点について、思いを馳せる部分がない。単に、船内で化け物と闘うだけなら、エイリアン2の方がよっぽど面白い。

5.とっくに惑星に着いていたのに、船内で900年もいたことについて、感慨がわかない。

猿の惑星」みたいに、最後に真実を知ったときの深い感慨が、この映画にはあまりない。冷凍睡眠しているなら、何百年たっても同じことでは?みたいな感じ。

ということで、ツッコミどころが多い。

「面白い映画」と、「いまいちな映画」の違いはどこにあるのか。映画って難しい。