コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

禅 | 現世の救いはいかに可能か

アマゾンビデオで「禅」を観たのでメモ。

禅宗の1つで、日本における曹洞宗の開祖である道元の人生を映画にしたもの。

映画として純粋に面白かった。

 

禅 ZEN

禅 ZEN

 

 この歳になって、禅や仏教に興味を持ちはじめた。中年になると人生の残り時間を意識するからだろうか。死を意識すると、人生の虚しさ・・・について考えざるをえない。

そうはいっても、映画には期待していなかった。この手の日本映画が面白かったためしがない。他の映画にしようかどうか、15分くらい迷った。

意を決して観てみると、映画としてよく出来ていて楽しめた。テンポよくストーリーが展開していくから退屈しない。

宋留学のシーンもあって、中国語を話しているのがいい。当時、中国の存在がいかに大きかったのか伝わってくる。

道元の人生物語

少年時代の道元は、「死んだ後で救われても意味はない」と語る。

じゃあ、どうすれば、生きている人間が救われるのか。それを求める人生が描かれる。

この映画には、禅の思想について語られたセリフが多いから、観るだけでも禅の入門知識が得られる。

しかし、「大海に水を観る」という当たり前のことを知ることが、なぜ苦悩の解決になるのか。なぜ座っているだけで、その境地に至るのか。

映画で雰囲気は伝わってくるけど、わかったようなわからないような・・・

雰囲気が伝わるだけでも、この映画はたいしたものかも知れないが。