コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

プリズナーズ | 囚われがテーマの上質サスペンス

プリズナーズという映画を観たのでメモ。

感謝祭の日に幼い娘が姿を消す。容疑者として逮捕された青年は知的障害を負っていると判断されて、釈放される。

父親はその容疑者の一言から犯人であると確信して、暴走していく。

こんなストーリー。

 

プリズナーズ(字幕版)
 

 

(この映画はサスペンスなので、ネタバレを極力ナシにします。ただし、本当に映画を楽しむためには、当記事のような感想文も読まずに映画を観た方がいいです)

囚われの連鎖

とにかく、多くの人が囚われている。ありとあらゆる囚われが出てきて、しかもすべて最後には納得というか、囚われたことに不自然さがない。

まったく違和感なくここまで多様な囚われが出てくるのは、ハリウッドの脚本はすごいの一言。

主人公の娘が囚われたことでストーリーがはじまるけど、連鎖的な囚われが次々に明らかになる。

物理的な囚われとは異なるが、主人公もまた囚われが暗示される。それは思い込みへの囚われ・・・。

そして、主人公が思い込みに囚われてしまったことについても納得できる。この主人公の保守的なパーソナリティからして、娘を失った後で容疑者のあの発言を聞いたら、囚われるしかない。

結局、犯人は誰か。容疑者の青年は何だったのか。

最後の最後にすべての謎が解けるが、上質サスペンスに特有の納得感があった。

刑事の存在がカギ

ジェイク・ジレンホールが切れ者の刑事を演じている。

上記Amazonリンクの「表紙」からもわかるように、ダブル主演といってもいい重要な役柄。

この刑事が、囚われから解放されるためのキーパーソンとなる。

囚われるのは、子どもだったり宗教的な人だったりと、理性の対極にある人たち。囚われを解除していくのが理知的な刑事。そんな背景が見て取れる。

それにしても、ジェイク・ジレンホールのヘビのような顔立ちは、刑事役が似合う。世の中に凄腕の刑事がいるとしたら、こういうタイプではないか?という気がした。