電子書籍を無名でも100万部売る方法 | 王道ネットマーケティングの実例
Amazonの電子書籍出版(KDP)が盛り上がっている。しかし、実際に出版してみると、まったく売れない。本書の「無名でも100万部売る方法」というそそるタイトルに惹きつけられる。
著者は、米国人のインディーズ作家で、100万部以上を売って話題になった人物。ミステリー小説やウェスタン小説のシリーズで成功をおさめた。
本書は、どのように成功したのかを赤裸々に語っている。KDPで一儲けしたい人にとっては参考になる部分が多々あるはず。
Amazonの電子書籍出版KDPで稼ぐ法則
本書で紹介している方法を羅列すると以下のようになる。
- ニッチジャンルでシリーズ化する。
- 格安で売る。著者は1冊99セントで売った。日本円なら99円という最安値で売る。
- 読者ターゲットを明確に理解して、彼らが喜ぶような内容を書く。
- 主人公の固有名詞でブランド化する。
- Amazonの評価レビューから、読者の喜ぶ傾向を理解する。
- 必ず複数冊出して、クロスセルを重視する。
- ブログを開設して、記事をバズらせて集客する。
- twitterでつぶやいて集客する。
- 読者からのメールには1人1人に返信する。
- 読者のメールを集めて、新作が出るたびにメールを送る。
読んでみると、1つ1つはさほど驚くようなことはない。しかし、ネットマーケティングの王道ともいうべき基本をすべてやっている。
できることは何でもやるという姿勢が大切なんだとつくづく思った。
読者からのメールにすべて返信するのは、なかなかできることではない。やっぱり、楽をしたら稼げない。
1冊で稼ぐのは無理
もう1つ。著者が繰り返し強調していたのは、ファンになってくれた人にたくさんの本を提供するということ。
1冊で100万部なんてのはまったく現実的ではない。シリーズ化して、作品を気に入ってくれた人に、何度も買ってもらうしかないのだ。(といっても、著者は10冊前後しか出していないようだが)
以下のサイトでも、電子書籍で稼ぐためには100冊出版する必要があると解説していた。
数を出すのはコンテンツビジネスの基本でもある。出版社ともなれば、良くも悪くも大量のタイトルを刊行している。
数を打たないと売上なんて出るわけないのだ。
再現性に期待しない
本書は非常に参考にはなったのだが、再現性は必ずしも高くない。
まず大前提として、書いた小説が読者を惹きつけるレベルに達している必要がある。著者は「魅力的なコンテンツを用意する」などとあっさり書いているが、ほとんどの人はこれができない。
ブログでの集客にしても、有名人と会った経験を記事にしてバズらせている。ほとんどの人は、このようなバズらせるブログ記事が書けない。
ちなみに、著者は様々なビジネスを成功させた人物で、作家としては素人だとしても、その行動力やセンスはずば抜けている。
当たり前の話だが、本書を読んだからといって100万部のベストセラー作家になれるわけではない。
むしろネットマーケティングの実例として興味深いものだった。
日本で言えば10万部を目指すイメージか
米国は英語圏なので消費者が多い。しかも、電子書籍の普及が進んでいる。その環境で100万部ということなので、日本でいえば10万部を目指すようなイメージになる。
1冊99円で売るとすると、35円程度の利益。それが10万部だから、350万円の利益。
大卒新入社員の年収分が稼げたら、大成功のベストセラー作家ということになる。
うーむ。電子書籍の印税で暮らしていくのは大変です。