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コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

引き寄せの法則 | この説得力の正体は何か

引き寄せの法則」はネットの至るところで見かける言葉である。その原点となったのが本書。ベストセラー「ザ・シークレット」の元ネタ本でもある。

ふと思い立ってこの本を買ってみた。

引き寄せの法則 エイブラハムとの対話 (引き寄せの法則シリーズ)

引き寄せの法則 エイブラハムとの対話 (引き寄せの法則シリーズ)

 

 最初の30ページ位が退屈

読み始めると、著者夫妻の思い出話が綴られている。これがなんとも退屈で、この部分で本書を投げ出してしまった人が多いのでは?

どのようにして「引き寄せの法則」に出会うことになったのか書かれているけど、本来スピリチュアル系が苦手な奥さんの方に憑依体質が出てきて、その存在と対話できるようになったとある。

読者から見れば、どうでも良い話が書かれています。

本題に入るとものすごい切れ味

引き寄せの法則の内容に入ると、途端に文体が変わって、実に切れ味のある文章が続く。

引き寄せの法則とは、良いことも悪いことも頭で考えたことが現実に起きる(引き寄せられる)、ということ。関心を向ける対象に注意しよう、ということ。

スピリチュアル系自己啓発ともいえる内容だけど、なぜこれほど説得力があるのか。

おそらく、日常生活で誰もが経験していることだからではないだろうか。

暗いことを考えていると、日常の嫌なことだけに関心が向く。そして、嫌なことだけが人生に起きるような気がしてくる。

心理学的には実に真っ当なことが、「宇宙の法則」として説明されているのが本書のキモ。

どんなことであれ引き寄せられるから、関心を向ける対象に関心を持とう。そうすれば、人生のコントロールを取り戻せる。感情に注目しよう。良い感情でいられるときに、よいことを引き寄せている。

誰もが思い当たることでもあり、同時に、人生を変えられるのではないかといった希望を持たせてくれる本です。

見事な比喩

本書の中で気に入った比喩がある。

彫刻家が粘土の塊を前にして、「なぜ、ぶかっこうな塊なんだ!」と嘆くだろうか?という比喩。

粘土が美しい彫刻に変わるのはこれからであり、塊でしかない現状に関心を向けてしまえば、彫刻を作るどころではなくなる

本来の彫刻家は、まだ塊にすぎない粘土を前にして、美しい完成予定図を頭に描いているはずだ。だからこそ、その塊は彫刻になるのである。

実にもっともな話であり、これは私達が自らの人生をどのように扱うか?という比喩になっている。

たとえば、貧しい人がいるとする。その人は、「なんでこんなに貧乏なんだ!」と嘆くとしたら、粘土の塊に文句を言っているのである。

お金持ちになりたいなら、そうなった自分をイメージしなければ、彫刻は完成しない。

関心を向ける対象によって、それが現実となってしまうのである。

多くの人が本書に惹かれるのがわかる気がします。