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コペル書評

読んだ本の感想をメモ。

スマホでアップルに負けてるマイクロソフトの業績が絶好調な件 | 実は赤字だけど頑張ってる

 

 2015年7月29日にWindows10の無償アップデートがはじまって、何かと話題のマイクロソフト

アップデートには1年間という条件があるけど、OSの無償配布には誰もが驚いたはず。どうなってるんだ?ということで、本書を手に取った。

本書を読むとここ数年のマイクロソフトと業界の動向がよくわかる。アスキーの記事をまとめたものらしくて、Windows 8とかRTみたいに終わった話も掲載されているけど、「なにが狙いでなぜ失敗したのか?」という視点だから、読む価値はある。

リスキーなタイトル

本書のタイトルで、「業績が絶好調」とあるけど、マイクロソフトの最新決算である4月から6月までの四半期決算は、なんと3千2百億ドル(約4千億円)の赤字。携帯端末のノキア関連でリストラ費用が膨らんだらしい。

本書が発売されたのが3月だけど、その後の4月~6月で大赤字。しょうがないことだが、タイトルの付け方が微妙すぎる。発売直前に赤字決算を発表されたら、どうしたんだろう?

スマホでアップルに負けてるマイクロソフトは今、何をしているか?」くらいのタイトルにした方がいい。

マイクロソフトだけが時代の濁流にある

ともかく、今のIT業界は激動の最中だとわかる。しかも、マイクロソフトがかなりやばい。

  • とにかくモバイルファースト:消費者にとっての重要な情報ツールは、スマホタブレットに変わった。
  • OSを有償で販売できる時代は終わりつつある。
  • 巨人IT企業の収益源は、ネット広告のグーグル、ハードウェアのアップル、ソフトウェアのマイクロソフトと並べることができる。
  • マイクロソフトの収益源だけがソフトウェアの無償化という時代の流れで崩壊。
  • ビジネスユースから利益が上がるうちにマイクロソフトは早めに手を打っている。ビジネスとクラウドの連携が大きな狙い。

マイクロソフトは前途多難。ビジネスユースから安定的な利益が上がるから、今現在は危機的ではないにしても、このままだと将来的に売るものがなくなる。

Surfaceは収益の柱にはならない

マイクロソフトが発売したタブレットPC Surfaceシリーズは評価が高い。タブレットでありながら、Windowsを搭載し、専用のキーボードを使うことで、ノートPCとしても使える。

iPadでは仕事にならないというビジネスマンの心をがっちり掴んだ。タブレットを作ったのはアップルだけど、タブレットPCというジャンルを作ったのはマイクロソフト

このサイトにいくと、タブレットPCはSurfaceだけでなく、いろんなメーカーが出していることがわかる。おそらくノートPCは完全に駆逐されるはず。

私も今はノートPCとタブレットを別々に使っているけど、いずれタブレットに一本化するつもり。

しかし、いくらSurfaceの評判がよくても、マイクロソフトは多数のOEMメーカーを抱えているから、デバイス企業になるのは難しい。そもそも、Surfaceから上がる利益は、Windowsやオフィスといったソフトウェアに比べると小さい。

攻めの経営は尊敬に値する

本書を読み進めるごとに、マイクロソフトへの尊敬の念が禁じえなくなる。

仮に、今のマイクロソフトの状況が日本の企業だったらどうだろうか?

Windowsの無償化なんていう大胆な施策を打てただろうか。とても無理。日本のサラリーマン社長は延命ばかり考えそうだ。

マイクロソフトは先がないことを見越して、完全に攻めの経営ができている。これからも目が離せない。

日本の企業だって、富士フイルムみたいにフィルム消滅の激動を乗り切った会社はある。コダックはつぶれて、富士フィルムは急成長した。

マイクロソフトも、ソフト無償化の激動を乗り切れば、間違いなく一段の成長を遂げるはず。