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コペル書評

読んだ本の感想をメモ。

21世紀の資本 | 読まなくていいかも

経済

 

21世紀の資本

21世紀の資本

 

 話題の本なので書店で立ち読み。

結論:経済学の院生でもなければ、読む必要なし。

非常に細かい本で、一般人にとっては「つまらない」としか言いようがない

実証的に「資本収益率が経済成長より大きい」(格差は広がっている)というだけの本。

翻訳者の山形浩生氏のブログで、この本についていろいろ書いている。

中でもピケティ「21世紀の資本」FAQ(PDF)が理解に役立つ。米英の経済学者たちがこの本を否定しているという話を良く聞くけど、そのあたりのことも書かれていてタメになった。

あとは池田信夫氏の解説本。

どう考えても、これで充分です。

こちらも立ち読みしたけど、「もう充分」だと思った。

池田氏のアゴラチャンネルでもピケティについて解説しています。(前半部分)

心理的な不幸は格差から生まれる

本書がこれほど売れているのは、格差が広がっている実感を多くの人が持っているからでしょう。

すぐに思い出したのが「幸福の計算式」で紹介した「イースタリンの逆説」。

格差が広がっているとは言っても、現代はすべての人の暮らしぶりが良くなっている。人類史的に見て、これほど庶民が豊かな時代はない。

格差社会の底辺に生きている人でも、医療を受けられて、けっこうなものを食べていて、(もしかしたら)スマホを持っている。

ただし、それが幸せに結びつかないというのが「イースタリンの逆説」。

幸福というのは他者との比較で決まる

だから、周りの人間が自分より豊かなら、どれほど贅沢な暮らしをしていても「不幸のどん底」に感じてしまう。

現代の日本に生きている年収200万円の人に向かって、「アフリカの貧民に比べれば天国のような暮らしだ」とか「江戸時代の貧農に比べれば貴族のような暮らしだ」とか慰めても意味はない。

なぜなら、彼らの周囲にいる現代日本人はもっと豊かだから。

不幸の根本は、常に「格差」であって、絶対的な豊かさの基準ではない。食うに困らず、贅沢な福祉を受けられていても、回りにいる人間がもっと贅沢な暮らしをしていれば「なんで俺だけが!」と怒りがわきあがる。

それが人間の心なんです。

言い換えると、どれだけ経済成長して国全体が豊かになっても、それ以上のスピードで金持ちがもっと金持ちになったら、庶民は確実に不幸になっていく。

つまり、経済成長率よりも資本収益率が上回って( r > g )、国の格差が広がっていけば、ほとんどの庶民は不幸になっていく。

それが人間心理なんですよ。その共同体は持続可能性に疑問が生じてきます

ピケティの(つまらない)本が売れているのは、それだけ根の深い理由があると感じています。この現象は軽く見ない方がいい。