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コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

戦前の生活: 大日本帝国の”リアルな生活誌” 武田知弘

戦前の生活: 大日本帝国の”リアルな生活誌” (ちくま文庫)

よく言われることですが、日本では70年ほど前の太平洋戦争によって断絶が起きています。

 

敗戦後のGHQ占領によって、社会が激変したからでしょう。また、戦時下のあり方が無意味にタブー視されているのも理由でしょうか。

 

とにかく、戦前と戦後で歴史が途切れている感覚がある。直線状のつながりを感じることが難しいのです。

 

そのため、戦前はどんな生活をしていたのかに興味があって、本書を手に取りました。本書では62のトピックで簡潔に紹介しています。

 

ところが!

読んでみると、ほとんど意外感がありません。

なんか知っていることばかり、想像の範囲内ばかり。

 

よく考えてみると、ドラマにしても映画にしても戦前ものって多いです。朝の連ドラでも昭和初期が舞台の作品が少なくありません。

実際、イメージはずいぶんつかんでいたみたいです。

 

逆に言うと、本書は真面目に書きすぎたのでしょう。

センセーショナルな項目ばかり集めれば、もう少し意外感のある内容にできたのでしょうが、ある程度まで正確にイメージを伝えようと編集したために、まったく意外感がない。

 

項目をいくつか紹介しようにも、これといって・・・

とりあえず、興味深かった内容は以下。

 

  • 昭和4年。姫路高校で、生徒総代(生徒会長)が地元の連隊に「満州を侵略すべきではない」と質問。連隊は高校に抗議。生徒総代は謝罪しなかったので退学処分。それに抗議するため全校ストに突入。当時の高校生は骨のある人間が多くて、ストも多かった。
  • 戦前には「人さらい」がいた。幼少の子供を物売りにしたり、大道芸に使ったり。
  • 駄菓子屋は危険な場所だった。なぜかといえば、食べ物が不潔だったので、買い食いした子供が死ぬことがあった。そのため親は、駄菓子屋での買い食いを禁じた。
  • 小学生による殺人事件が多発していた。理由は、子供同士の喧嘩。ナイフなどの武器をすぐに持ち出していた。
  • 戦前にもアニメ制作があった。戦時下になってディズニーのアニメは入ってこなくなったが、国内では盛んに作られていた。「桃太郎・海の神兵」は手塚治虫が感激したという。

こんな感じな内容でした。

 

満足度:C

乗り物とか娯楽とか、表層的な内容が多かった。もう一歩踏み込んだ内容が読みたかった。