コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

歴史

江戸時代の「不都合すぎる真実」 | よく考えれば良い時代なわけがない

徳川幕府を転覆した明治政府は、当然ながら自分たちの行動を正当化する。 江戸時代は酷い時代だった、江戸時代の民衆は悲惨だったと伝える。 そして「貧農史観」ができあがる。 しかし、最近は、江戸時代を見直す風潮になっている。 江戸時代は平和な時代だ…

世界システム論講義 | 歴史を動かすのは何か

世界システム論講義を読んだのでメモ。 歴史というと、政治家の名前ばかり覚えさせられるイメージがある。 そのため、あたかも政治家(権力者)が歴史を作っているかのような錯覚がある。 世界システム論は、そういった歴史観を根本的に覆す内容。 世界シス…

日本残酷物語 | 私が知っている日本はほんの一部だった

民俗学者の宮本常一に最近はまっている。著書を探しているうちに辿り着いたのがこのシリーズ。 貧しさ、悲惨さ、犯罪。そういった日本の暗黒面を真正面から書いている。日本を理解するうえで欠かせない貴重な記録。 日本残酷物語〈1〉貧しき人々のむれ (平凡…

商人道のススメ | 武士道への憧れがひっくり返る

商人道ノスヽメ 作者: 松尾匡 出版社/メーカー: 藤原書店 発売日: 2009/06/23 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 34回 この商品を含むブログ (11件) を見る サッカー日本代表は「サムライブルー」、野球の日本代表は「サムライJAPAN」。こういったネーミ…

織田信長のマネー革命 武田知弘

人それぞれ「織田信長」のイメージはもっていると思う。 私の場合は「短期間で勢力を広げた軍事的天才。だけど、かなり冷酷な面もあった。」というもの。 この本を読んで「もしかしたら、過小評価していたかな」と思った。 本書は織田信長の経済政策に注目し…

戦前の生活: 大日本帝国の”リアルな生活誌” 武田知弘

よく言われることですが、日本では70年ほど前の太平洋戦争によって断絶が起きています。 敗戦後のGHQ占領によって、社会が激変したからでしょう。また、戦時下のあり方が無意味にタブー視されているのも理由でしょうか。 とにかく、戦前と戦後で歴史が…