コペル書評

読んだ本の感想をメモ。ときどき映画も。

ノンフィクション

鬼畜の家 | 悲劇の連鎖が浮かび上がる

本書は、子どもの虐待死事件について調べたノンフィクション。 犯人である親の実像に迫っている。 わが子を殺すような犯人は、いったいどういう人間なのか。取材によって生い立ちや人間関係が見えてくる。 過去5年読んだ本の中で、1,2を争う衝撃だった。 …

ホームレス作家 | ドキュメントの凄み

困窮の中でホームレスになり、足掻いた日々を記録した本。 作家という職業の不安定さ、ホームレス生活の過酷さ、家族関係の難しさ等、読みどころが満載。 ホームレス作家 (幻冬舎アウトロー文庫) 作者: 松井計 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2002/12 メデ…

プリンセス・マサコ - 菊の玉座の囚われ人 | 伝統への無力感 

オーストラリア人の著者が、日本の皇族について書いた本。メインテーマは雅子妃だが、幅広く書かれている。 本書が(洋書で)刊行されたときに宮内庁が抗議して、日本での翻訳書が発禁処分になった。たしか10年以上前だったと思うが、ずいぶん話題になった…

熟年売春 | 悲惨さというより、たくましさを感じる

40歳前後(アラフォー)の女性が、なぜ売春をするのか。 この本は、多くの売春婦、風俗嬢、ピンクコンパニオンたちにインタビューしながら、その実像に迫っている。 熟年売春 アラフォー女子の貧困の現実 (ナックルズ選書) 作者: 中村淳彦 出版社/メーカー…

東大を卒業した僕がパチンコ屋に就職した理由 | 珍しくない就職先

東大をはじめ有名大学を卒業した若者たちが、なぜパチンコ屋に就職したのか。6人のインタビューを交えて、就職後の日々を紹介した本。 ちなみに、就職先のパチンコ屋は大手パチンコチェーンなので、大企業なみの待遇かも知れない。 東大を卒業した僕がパチ…

ある日突然40億円の借金を背負う―それでも人生はなんとかなる。|映画化希望

父親の急死によって事業をつぐことになり、決算書を見たら40億の借金。どん底の中でぎりぎり踏みとどまって、見事復活した男の記録。 ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。 作者: 湯澤剛 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 201…

名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで 中村 淳彦

AV女優の実像に迫るノンフィクション。インタビューを通して、カラダを売る女性たちの人生を垣間見る。 まじめなノンフィクションなので、性的に煽る要素はなく、抑えた筆致で女性たちに迫っています。 評価の高いシリーズですが、本書は最終章だけあって…

本当は怖い昭和30年代 ~ALWAYS地獄の三丁目~ 鉄人社

何年か前に、「ALWAYS三丁目の夕日」という映画があって、昭和30年代をノスタルジックに描いていました。ちょっとした30年代ブームでしたね。 実際の30年代はこんな時代だった、というのが本書。 タイトルでわかるように、現実の30年代がどれほど酷…